出典 http://cdn-ak.f.st-hatena.com/
故・金正日(キムジョンイル)総書記の長男である金正男(キムジョンナム)氏が、マレーシアのクアラルンプール空港にて殺害(暗殺)されるという事件が起きたと韓国メディアで報道されています。
今回暗殺に使われたのは毒針であると報道されており、韓国メディアでは女スパイによって殺害されたと言われています。犯行後に、女スパイはタクシーで逃走されたとされています。
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このような北朝鮮の処刑暗殺方法や、その毒の効果はいったいどういったものなのでしょうか??
Contents
●使用されたと思われるもの(毒針)
武器は、万年筆型と懐中電灯型の銃2丁とボールペンの先に針を仕込んだ毒薬カプセルの計3種類。銃は先端に刃物がついた弾丸が飛び出す仕掛けで、射程約10メートル。弾丸や針には、10ミリグラムで呼吸停止や心臓まひを起こす毒薬が仕込んであった。脱北者の男性が逮捕時に所持していた。
北朝鮮工作員が今春までに、モンゴルで脱北者男性と接触して、武器を提供。男性が北朝鮮に残してきた家族の待遇改善などを交換条件に、韓国で反北朝鮮運動に携わる韓国人や他の脱北者らの殺害を持ちかけたという。
韓国政府は、脱北者を使って別の脱北者の殺害をもくろむ非人道的な行為だとして北朝鮮を強く非難。テロの警戒や反北朝鮮運動家の身辺保護などを強化するとしている。
出典 http://www.asahi.com/special/08001/TKY201110080150.html
過去に紹介された暗殺方法の一つですが、拳銃のような明らかなものではく、通りすがりざまに毒針を打ち込んだり、拘束後に殺害するといったものです。
今回の症状はどうであるかは報道されていませんが、過去の事件おいては呼吸困難や心臓麻痺を起こすということから、神経毒ではないかと思われます。
このようなタイプのボールペンは、5度回すことによって毒針が出るというものです。過去に韓国の人権団体の代表をこのようなタイプのボールペンで殺害しようとしたとして、脱北者の男が逮捕されるという事件が起きました。
また、さらに上の図で紹介した懐中電灯型の物も、安全装置を外してボタンを押すと、毒薬を仕込んだ弾丸が発射されるというものです。
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今回の金正男(キムジョンナム)氏の殺害は、このような方法を取られたのではないかと思われます。
●神経毒とは?
神経毒(しんけいどく、英語: Neurotoxicity)とは、神経細胞(神経単位、ニューロン)に特異的に作用する毒のことである。通常、膜蛋白質とイオンチャネルとの相互作用によって効果を及ぼす。一般的な作用は麻痺であり、それは極めて急速に起こる。
出典 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E6%AF%92
すなわち、神経系に作用し神経の伝達を遮断するため、筋肉の収縮と弛緩ができなくなり、筋肉麻痺やしびれを生じて動けなくなるもの。
かなり重篤な場合は、呼吸や心臓も停止して死に至ります。
他の毒として代表的なものとしては、蛇に噛まれて出血が止まらなくなる「出血毒」というものがありますが、今回の金正恩(キムジョンウン)氏に使われたものではないと予想されます。
やはり、呼吸・心臓停止の繋がる神経毒であるのが有力であると思われます。
このような神経毒の代表として、フグ毒として有名な「テトロドトキシン」があります。
フグ毒としての症状としては、食べてから20分から3時間程度で症状が現れ、次のような段階で信仰していきます。
- 唇や舌のしびれ、指先のしびれ、歩くことが難しくなる
- 手足が動かない麻痺、嘔吐の後は運動不能になり、感覚がなくなり、言葉も発せなくなる
- 全身の筋肉の麻痺となり、呼吸困難になる
- 意識がなくなり、呼吸が停止し、心臓も停止
神経毒により、接種した本人自身が呼吸ができなくなりますが、他人から動かせてもらうことは出来ます。
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すなわち、別の人に人工呼吸を続けてしてもらえば、延命することもできます。
一部メディアでは、女スパイに毒針、もしくは薬品で襲われたあと、金正男(キムジョンナム)は空港職員へ助けを求めて、救急搬送中に死亡されたとされています。
中には即死という説もありますが、これが上のようなフグ毒のような神経毒であれば、助けを求める時間があり、搬送中に死亡したという状況的にも有力ではないかとも思われます。
今回使われた毒の種類は判明しておらず、多岐に渡るため、あくまで死因の予測やその一部の効果しか例として挙げれませんが、今後の解明されていくものであるとは思われます。
●なぜ毒針が使用されたか??
よく暗殺に使用されるものとしてのイメージは、映画等から「拳銃で暗殺された」というものも一部あります。
しかし、実際に暗殺に拳銃のような物を使うのは、たいへん目立ちます。
国外に持ち出すにしても、空港で完全にバレてしまうでしょうし、サイレンサー(銃声の消音装備)も合わせるとかなり荷物になってしまいます。
その点、ボールペンのような仕込み毒針は、小型でペンということで持ち込みやすいです。
そして、毒の量によっては確実に暗殺ができるので、現実的な問題として最も効率が良いものになります。
●金正男と金正恩の関係は?異母兄弟?年齢は?
出典 https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/
二人の関係は、故・金正日(キムジョンイル)総書記が共通の父で、母の違う異母兄弟です。
長男である金正男(キムジョンナム)氏と、三男で現在の北朝鮮のトップである金正恩(キムジョンウン)党委員長という関係。
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金正男(キムジョンナム)の1971年生まれのため、年齢は45歳。
現トップ金正恩(キムジョンウン)は、年齢が1983年生まれの33歳です。
その差は長男と三男であれど、12歳も離れています。
金正男(キムジョンナム)氏は、金正恩(キムジョンウン)党委員長が北朝鮮のトップになってからは、北朝鮮に戻らず、中国などの海外へと出国していましいました。
金正男(キムジョンナム)氏には、内縁の妻と子供4人がおり、マカオやシンガポールを中心に移動をされていました。
今回の金正男(キムジョンナム)氏の殺害報道において、金正恩(キムジョンウン)党委員長が暗殺と殺害の指示を出したとの確定した情報はありません。
しかし、数々の側近を処刑してきた金正恩(キムジョンウン)党委員長の行動、また、直接殺害に関与したのが北朝鮮の女スパイということから、金正恩(キムジョンウン)党委員長指示により暗殺されたのでは?という考えが強く持たれている状態です。
●金正恩(キムジョンウン)党委員長の指示か?大量処刑理由
金正恩(キムジョンウン)政権が発足された後は、金正男(キムジョンナム)氏は国外へ逃亡?しています。
さらに、金正恩(キムジョンウン)党委員長は、現在までに自分の地位を盤石にするためか多くの側近を処刑しています。
数百人は処刑したといわれており、各年だいたい数十名は処刑されています。
中には、「会議中に姿勢が悪かった」といった理由で処刑も行ったりしており、これは完全に言いがかりとも思えます。
そして金正恩(キムジョンウン)委員長も「金正男(キムジョンナム)を除去せよ」との命令も出していたとのことです。
さらに、中国へ送っている工作員(スパイ)にも、毒針を持たせていたともされています。
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これも断定情報はありませんが、可能性はやはり高いと見られています。
●女スパイによるハニートラップか?
今回の殺害報道は北朝鮮の女スパイによるものだとされています。
女性による殺害ということで、ハニートラップの可能性も考えられます。
ハニートラップ(英語: Honey Trap)とは、女性スパイが対象男性を誘惑し、性的関係を利用して懐柔するか、これを相手の弱みとして脅迫し機密情報を要求する諜報活動で、人的諜報ヒューミント(英語: Humint、Human intelligenceの略)の一種。またスキを見せた標的をその場で殺害する事もある。ただし必ずしも女性スパイが仕掛けるものとは限らず、東ドイツ国家保安省(シュタージ)の「ロミオ諜報員」のように男性スパイによって対象となる女性を罠にかけることもある。いわば「色仕掛け」による諜報活動といえる。
なお、ハニートラップは直訳すると「蜜の罠」や「甘い落とし穴」となり、同じような意味合いで使用されるセクシャル・エントラップメント(英語: Sexual Entrapment)は「性的な囮(おとり)」という意味である。
出典 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%97
暗殺であれば、男性の工作員(スパイ)であっても十分可能ですが、女スパイということを考えると、金正男(キムジョンナム)氏に誘惑して近づいたのかもしれません。
あくまで状況の予想ですが、
女スパイの二人で金正男(キムジョンナム)に近づき、とても親密な関係となった最中、無防備になったところで首筋にでも例のボールペン型の毒針を差し込めば、かなり早く毒が身体をまわる状態になります。
予想の域を出ませんが、近しい状況であったのではないかと思われます。
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今回の金正男(キムジョンナム)の殺害報道はかなりのニュースとなりました。
国や各メディアを挙げて情報の究明が行われている状態ですが、今後の原因究明と新情報に注目です。
●新情報追記
各国メディアで新情報が報道されています。
殺害方法は??
外国で放送された情報の一つとして、『マッサージをしてやるとして近づいた女性にアイマスクをされて拘束、腕に毒針を刺された』というものです。
さらに新情報として、『顔に液体のようなも顔に吹き付けられた・顔に布を押し付けれらた』『顔が焼けるように熱いと言っていた』と言われています。
上記のように、毒針説、液体説など報道されている国やメディアによって差はありますが、薬品を含む毒物劇物で殺害されたと見られています。
マッサージがいかなるものであったか。それはわかりませんが、やはり女性としての色気を武器にして近づいたとみてよいでしょう。
なぜ今回このタイミングで殺害されたのか?
① 2月16日は、故・金正日(キムジョンイル)総書記の誕生日であり、その理由のためであるかは不明であるが、金正恩(キムジョンウン)党委員長が金正男(キムジョンナム)氏へ北朝鮮への召喚命令を出していた。
② 金正男(キムジョンナム)氏が韓国への亡命するとの情報が入ったため
日本政府の反応
さらに、今回の金正男(キムジョンナム)氏の殺害疑惑の情報は、2017年2月14日の夜に日本で報道されたことに対し、同日の昼頃には政府関係者は把握されていたそうです。
2月15日AMにおいては、まだ日本政府や日本各メディアは、金正男(キムジョンナム)氏が殺害されたものであると断定はしていません。
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海外メディアにおいては、「マレーシア警察が、殺害されたのは金正男(キムジョンナム)氏であると確認」「2月15日に検視が行われる」といった報道もなされています。
女スパイ2名死亡か?証拠封じか?
2月15日昼の段階において、今回金正男(キムジョンナム)氏を殺害されたとされる女工作員(スパイ)の二人が死亡したという情報が入っています。
さらには、その女工作員(スパイ)は、殺害後に自決したんではなく殺害されたとも報道されされています。
つまりは、北朝鮮のさらに上の存在によって女スパイが証拠封じのため消されてた可能性もあります。
女2人死亡説は誤報で、逮捕される
女スパイと言われていた女性二人は逮捕され、主犯格と言われる男性4容疑者のうち、北朝鮮国籍の「リ・ジョンチョル」容疑者も逮捕されています。
初期に毒物の可能性の高いとされた薬品
今回、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された時に使用された毒物の種類として、可能性の高いものが報道されました。
その薬品とは、「フェンタニル」と呼ばれる合成麻薬の一種ではないかと大学教授が述べています。
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この「フェンタニル」は2002年に起きた「モスクワ劇場占拠事件」で使用されたと言われています。
「モスクワ劇場占拠事件」
2002年10月23日、42名の武装勢力は、モスクワ中央部にある劇場「ドブロフカ・ミュージアム」で観客922名を人質に取り、第二次チェチェン紛争により進駐してきたロシア連邦軍のチェチェン共和国からの撤退を要求した。これが受け入れられない場合は人質を殺害、自分達も爆弾を使って劇場ごと自爆すると警告。これに対し、ロシア当局は強硬な態度を示し、武装勢力の要求を事実上拒否して武装勢力は追い詰められた。
その後武装勢力は、10月26日朝までに自分達の要求が受け入れられなければ人質を殺害するという最後通告を行ったため、緊張が高まった。政府はこれに対し交渉を行うとの声明を出したが、実際は突入への準備が行われていたといわれる。
26日の午前6時20分頃にロシア連邦保安庁(FSB)の特殊部隊であるアルファ部隊が突入。その際、特殊部隊は犯人を無力化するためにKOLOKOL-1と呼ばれる非致死性ガスを使用した。劇場内にいた大半はこのガスによって数秒で昏倒し、異変に気付いて対処しようとした武装グループの何人かと特殊部隊との間で銃撃戦が発生したが、短時間で制圧された。武装勢力側は全員射殺されたが、その中には意識不明でその場に倒れていて特殊部隊員によって無抵抗のまま射殺されたものが多い。
なお、突入の直前に犯行グループ側が人質を殺害したとの報道も流されたが、発表では銃弾で死亡した人質はいない。
ガスの使用とその種類については周囲に一切知らされておらず、解毒薬も特殊部隊の一部にしか与えられていなかったため、人質の救出成功と同時に、呼吸困難や心停止に陥った人質への対処と治療という問題が起きた。このような状況を予期していなかった特殊部隊員たちはパニック状態に陥り、運ばれた病院でも対応は後手に回った。最終的に人質129名が窒息死したが、その多くは特殊部隊員が人質を担ぎ上げた時に吐瀉物が呼吸器に詰まったためであった。仮に医療班を待機させ、解毒剤などを準備していれば救われた命があったはずであり、後にこれは訴訟に発展した。
ロシア政府は当初、このガスの成分を一切公表しなかったが、後日ロシア保健相が麻酔薬であるフェンタニルを主成分にしたものであるとの発表を行った。しかし、詳細な成分については今なお不明である。
出典 https://ja.wikipedia.org/wiki/
922人中129人がこのガスの成分によって死亡したという、危険な薬物です。
さらに可能性が高いとされた毒物「VX」
上のフェンタニルは情報錯綜中の可能性の一つとして挙げられたものでしたが、さらに可能性の高い毒物として、日本薬科大学の船山信次教授、昭和大学の沼澤聡教授も「VX」の可能性が高いと見解を述べていました。
VXガス(ブイエックス・ガス、VX、O-エチル-S-(2-ジイソプロピルアミノエチル)メチルホスホノチオラート)とは、猛毒の神経剤(V剤)の一種である。サリンなどと同様、コリンエステラーゼ阻害剤として作用し、人類が作った化学物質の中で最も毒性の強い物質といわれる。
- 致死量
- 大気中濃度 0.1 mg・min/m3。
- LD50 15μg/kg(ラット、呼気)
琥珀色をした油状の液体で、揮発性は低く、無味無臭である。また、濃度や温度にもよるが、粘着性を持つとされ、エアロゾル(霧)を毒ガスとして使用する。水への溶解度は約3%。
1950年代初期にイギリスで合成された。揮発性(蒸気圧)が低いため残留性が高く、そのうえ、サリンなどと異なり化学的安定性も高いので、温帯の気候においては、散布から1週間程度は効果が残留するとされる。
呼吸器からだけでなく、皮膚からも吸収されて毒性を発揮するため、ガスマスクだけでは防護できない。また、親油性が高く、水で洗浄しただけでは取り除けないため、安全な状態にするためには化学洗浄が必要である。木材や皮、布などに付着した場合には長期間毒性を維持したまま留まるため、VXガスに汚染された物に触れただけでも危険である。
出典 https://ja.wikipedia.org/wiki/VX%E3%82%AC%E3%82%B9
サリンよりも猛毒であると言われ、オウム真理教も殺人目的に使用していたという過去もあるそうです。
気化するサリンと違って、液体状でありやすいという特徴があります。
鼻や口、皮膚から入り、肌からも吸収され、数mgの付着で死に至ると言われています。