2017年4月8日、米太平洋軍のハリス司令官が、寄港先のシンガポールからオーストラリアへ向かっていた原子力空母「カールビンソン」を中心とする第1空母打撃群に対して北上を命じました。
このことは、米海軍第3艦隊(アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ)が発表されました。
先日日本海沖へと発射されたミサイル問題、また核開発を続ける北朝鮮の挑発に備えるため、北朝鮮半島周辺で活動する狙いがあります。
しかし先日2017年4月6日にシリアのアサド政権が化学兵器を使用したとして断定し、アサド政権軍の空軍基地に対してトマホークを59発を発射し攻撃を行いました。
そして同月の4月25日(火)は、朝鮮人民軍創建85周年という記念日に合わせてそん6回目となる核実験や弾道ミサイル発射に関係国が警戒している状態です。
この米空母打撃群の「カールビンソン」も同日に朝鮮半島近海にまもなく到着し、緊張はさらに高まっています。
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単なる挑発に対するけん制だけでなく、シリアのように北朝鮮への攻撃や、また北朝鮮からの報復や先制の可能性も否定できない状況でもあるため、緊張状態やよりひどい状態になる可能性もあります。
その米空母打撃群であるカールビンソンはどのような能力や規模をもっているのでしょうか??
Contents
●米航空母艦カールビンソンとは?
出典 https://ja.wikipedia.org/
名前の由来や愛称は?
カールビンソン(カール・ヴィンソン)はアメリカ海軍の航空母艦名で、ニミッツ級航空母艦の3番艦です。
この「ニミッツ級航空母艦」とは、簡単にいうと原子力空母の艦級で、世界最大級の軍艦です。
第二次世界大戦の前後に海軍力増強に努めた「カール・ヴィンソン下院議員」が名前の由来となっており、生存中の人名を付けた最初の空母です。
スターシップ・ヴィンソンとの愛称で呼ばれいます。
1974年4月5日に発注され、1982年3月13日に就航しました。
軍艦の規模や乗船人数は?
全長1092フィート(333m)。
全幅252フィート(76.8m)。
排水量は満載101,264トン。
機関はウェスティングハウスA4W原子炉2基、蒸気タービン4機、4軸。
出力260,000shp。
速力30ノット(時速56km)以上。
士官と兵員が3,200名。
航空要員が2,480名。
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という人数的にも考えても、一つの都市要塞で、行政的な市区町村としても考えられそうです。
全長や排水量も、日本が誇る「戦艦大和」の全長263mや排水量の約70万トンをはるかに凌いでいます。
カールビンソンの全長である333mは東京タワーと同じ高さでもあるため、そのまま地上でで縦に並んだ姿を想像すると、その化け物級ぶりがさらに際立ちます。
兵装や能力は?
兵装RIM-7 シースパロー短SAM2基搭載
このRIM-7 シースパロー(Sea Sparrow)とは、空対空ミサイルの「スパロー」をもとに開発された個艦防衛用の艦対空ミサイルです。
空中に発射された空中の目標を攻撃するためのミサイルです。敵からミサイル等の攻撃を受けた場合とかにこれで対処します。
RIM-116 RAMを2基搭載
RAM(Rolling Airframe Missile)という、アメリカとドイツが共同開発した近接防空ミサイルです。アメリカ軍での制式番号がRIM-116となっています。
特徴としては、短射程で応答時間が速く、艦上の誘導システムを必要としない撃ちっ放しの能力を備えた対艦ミサイル防御(ASMD)用のミサイルです。
ファランクスCIWS 3基搭載
アメリカのレイセオン・システムズ社製の艦艇用近接防御火器システム(CIWS)で、Mk.15の名称が付けられています。
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簡単にいうと、捜索・追跡レーダーと火器管制システムを一体化したガトリング砲で、対艦ミサイルからの防御を主な目的にしています。
また、形状がスターウォーズのR2D2に似ているため、米海軍では非公式な愛称として「R2D2」と呼ばれています。
出典 https://ja.wikipedia.org/
搭載する機体は90機可能~戦闘機動画も
戦闘機の種類やヘリなど多岐に渡り、それぞれの特定はできませんが、航空機を90機も搭載することのできる化け物のような空母です。
数十億~数百億と言われるような戦闘機を搭載しており、維持費などもろもろ考えるととんでもないお金がつぎ込まれていると思われます。
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全機で一気に攻められたら太刀打ちできないかもしれません。
そのカールビンソンからの搭載機の発信する動画は次に公開されています。(※離陸音等音量注意)
戦闘機を飛ばすことの出来るだけの、滑走路の長さを持っていることに驚きです。
世界最大で最強の空母といわれる「ニミッツ級」を持っている「カールビンソン」ですが、すなわちアメリカ最大の能力を有する空母の一つでありますが、これに対して北朝鮮はどういった対応をし、トランプ大統領はどういった判断を下すのでしょうか?
●空母打撃群とは?何隻で種類は?
カールビンソンだけでも化け物のような空母ですが、通常はイージス艦が3~6隻、潜水艦や補給艦等で構成されています。
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現在朝鮮半島近海に向かっているカールビンソン空母打撃群は、カールビンソンの他に、イージス2隻、イージス巡洋艦1隻で構成されています。
互いに補完し合っている状態で、原子力空母のカールビンソンだけでは足りない部分も補ってより最強といえる状態です。
●カールビンソンの武器(強み)は何?
原子力空母のカールビンソンは、その規模や大きさから、その艦自体が最強で相手国や敵を攻撃しそうなイメージも持てそうです。
しかし上で紹介した搭載している武器や兵装は、基本的には艦の防衛的なものが多く、実際に攻撃主体の装備とは言えません。
やはりその主力たる武器や能力となるのは、カールビンソンに搭載されている艦載機です。
●戦闘機や艦載機は?
カールビンソンが搭載している艦載機は、現在のボーイング社であるマクダネル・ダグラス社が開発した戦闘機攻撃機の「FA-18-ホーネット」。
出典 https://ja.wikipedia.org/wiki/
そして最新型である「FA-18E/Fスーパーホーネット」を併せた4個飛行隊を約50機ほど。
その他にも、空飛ぶレーダー基地とも言われる早期警戒機「E-2C」、敵レーダー通信などへ電子妨害を加える「EA-18Gグローラー」等、艦載機合計で約70機ほど搭載しています。
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カールビンソンは90機搭載できる能力を有しているが、今回は約70機と余裕がある状態です。
東西冷戦期にはフルスペックである約90機を運用されていたそうです。
実際に主に空爆や空対空戦闘を行うのは「スーパーホーネット」で、限定的にレーダーに映らないステルス機能を有し、旧式機しか持たない北朝鮮空軍に対して圧倒的な性能や戦力を持っいます。
北朝鮮は、アメリカの「スーパーホーネット」の存在に気付くことなく撃墜されていたとう状態になります。
●合わせて~娯楽はある??
航空母艦は1回の航行で半年から長い人で数年にも及びます。
そして4000人~5000人の士官がかなり狭い2段ベッドで衣食住を共にしており、異性間での恋愛は禁止とされている、かなり過酷な場所です。
ストレス発散のためにも、娯楽物としてテレビ室や雑談室、スポーツ施設もあり、トランプをしたり映画を見たりして過ごしています。
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その空母の中で、今回北朝鮮にも向かい緊張状態にもある「カールビンソン」ですが、その艦内に娯楽以上の役割を果たしているような施設があります。
それが「スターバックスコーヒー」店です。
このような娯楽施設はあれど、食事的な嗜好品のほぼ皆無な空母にとってこの「スターバックスコーヒー」はオアシスのような存在でしょう。
実際に、そのスターバックスコーヒーは艦内に行列を成して並んで購入しているほどです。
とくに緊張状態の続く現在では、かなり重要な場所なっているかもしれません。
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